1: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/10(火) 14:15:27.70 ID:WRn53kj80
提督「野球がしたい」 【安価】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425576469/

前スレの後日談となっております。遅筆で申し訳ないのですが、よろしければお付き合いください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1425964527

2: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/10(火) 14:28:08.45 ID:WRn53kj80
時雨「この前のMVPの特権としてね。駄目かな?」

提督「いや、時雨がそれを望むのなら断る理由なんてないが」

時雨「じゃあOKってことだね」

提督「うむ。ただ、すぐにとはいかんな」

時雨「日程についてはまた後で相談しよう」

提督「ああ」

時雨「それじゃ、楽しみにしてるよ提督♪」ガチャ

提督「…デート、か。まったく…いい笑顔しやがって」フッ

3: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/10(火) 14:42:03.31 ID:WRn53kj80
提督(……時刻はハチマルマル)

時雨「提督、お待たせ」

提督「おう来たか…さ、助手席に乗ってくれ」

時雨「ごめんね。車出してもらっちゃって」

提督「なに、車で行った方が何かと便利だからな。第一これは時雨の『権利』のうちなんだから気にする必要なんてない」

時雨「それでも、さ」

提督「はは、時雨は律儀だな」



提督「シートベルトはしっかり締めたな?」

時雨「大丈夫だよ」

提督「よし、出発だ。まずは…」

5: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/10(火) 15:03:36.64 ID:WRn53kj80
>>4
いきなりやってしまいました。ご忠告ありがとうございます。

6: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/10(火) 15:28:19.68 ID:WRn53kj80
―――― 

提督「大人一人と子ども一人で」

「3000円になりまーす」

提督「はい、これで」

「ごゆっくりお楽しみくださいませー」

時雨(提督は大人、僕は子ども…少し壁のようなものを感じてしまうね)

提督「ん、ボーっとしてどうした?」

時雨「ああ、何でもないよ」

提督「しかし久しぶりだなー水族館なんて」

時雨「僕もさ。だからこそ今日来てみたくてね」

提督「ふむふむ…よし、じゃああっちへ行ってみよう」

時雨「うん」

7: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/10(火) 23:23:08.55 ID:WRn53kj80
――――

時雨「わあ…!」

提督「すごい大水槽だな…サメにエイ、カメもいる。そして何より…」

時雨「あの群れ…すごい数だね」

提督「あれはイワシか。あれだけの数いると、壮観だなぁ」

時雨「きれいだね」

提督「時雨の方がきれいだよ」

時雨「…もう、茶化さないでよ」

提督「はっはっは、そうだな。きれいっていうよりかわいいだな」

時雨「も、もうホントに提督ってば!」

提督「すまんすまん、気を悪くしたなら謝るよ」

時雨「…そんなことはないけど」

時雨(もう…ずるいなあこんなの)

8: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/10(火) 23:24:22.24 ID:WRn53kj80
――――

提督「ここには深海の生物たちが展示されてるそうだ」

時雨「深海の生物というと、グロテスクなものが多い印象だね」

提督「アンコウとかが良い例だな」

時雨「あっ、でもあれとか…」

提督「クラゲか。幻想的な感じが良いな」

時雨「小さなクラゲはかわいらしいね」

提督「ああ。エチゼンクラゲみたいなやつは勘弁だがな」

時雨「あそこにアンコウもいるよ」

提督「おっ、本当だ…しっかしこいつブサイクだなー」

時雨「提督がそれを言うのかい?」

提督「時雨!?」ガーン

時雨「ふふ、冗談さ冗談。提督はかっこいいから安心しなよ」

提督「…お、おうっ」モジモジ

時雨「えっ?や、やめてよ。僕まではずかしくなってくるじゃないか…」

提督「うっ…あっ、あそこ見てみろ!」

時雨「えっ…あ、クリオネ…かわいい」

提督(変な雰囲気になってしまったが、何とかなったかな?)

9: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/10(火) 23:25:57.87 ID:WRn53kj80
――――

時雨「あっ、見て。ラッコとアザラシだね」

提督「おお…ん?アザラシがこっちに近づいてくる…」

アザラシ「……」

提督(かわいいけど…そこはかとなくイラつく顔してんなこいつ)

アザラシ「ケッ」

提督「あー!?こいつ今、俺のこと鼻で笑いやがった!!」

時雨「はずかしいし、他の人もいるんだから静かにしてよ」

ラッコ「……」ブンブン

時雨「あ、ラッコが手を振ってる…ははっ」ヒラヒラ

提督「へえ~賢いんだな。お~い」ブンブン

ラッコ「……」プイッ

時雨「そっぽ向いちゃった…」

提督「俺がいったい何をしたというんだ…!」

10: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/10(火) 23:27:06.68 ID:WRn53kj80
――――

時雨「ここは何だろ?みんな、水槽に手を入れてるね。小さい魚がいっぱいいるけどいいのかな?」

提督「ふむふむ、なるほどなるほど…この魚はガラ・ルファ。別名ドクターフィッシュ。人の古くなった角質を食べてくれるから美肌効果があるらしいぞ」

時雨「へえ~そんな魚がいるんだ。おもしろいね」

提督「ではさっそく俺たちも手を入れてみますか」バシャ

時雨「うん」バシャ

時雨「…こそばゆいね。でも不快な感じは全然しない」

提督「ちょっと癖になりそうだなこれ」

11: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/10(火) 23:28:25.36 ID:WRn53kj80
――――

提督「ショーおもしろかったな」

時雨「うん、見応えあったよ」

提督「イルカのジャンプ力ってやっぱすごいな」

時雨「アシカも大したものだったよ。ラケットを口に乗せたままの逆立ちには驚いたなあ」

提督「ラケットの代わりにサッカーボールを使った芸で一回落としたのも、愛嬌があってよかったな」

時雨「ぼけーっとした顔してたよね、あのアシカ」

提督「ああ、あの抜けた顔ときたら…」ククッ

12: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/10(火) 23:47:37.09 ID:WRn53kj80
――――

時雨「一通り見終わったね」

提督「そろそろ昼時だな。さっきのフードコートで昼食を取って次の目的地行くか」

時雨「あ、それなんだけどさ…」

提督「うん?」

――――

13: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/10(火) 23:50:23.78 ID:WRn53kj80

時雨「はい、どうぞ召し上がれ」カパッ

提督「おお、サンドイッチか!ハム、たまご、ツナ、カツ…それにフルーツサンドだな!」

時雨「うん、たくさん作ったからいっぱい食べてね」

提督「いや~外に出てゆっくりできるところに行こうって言われたときはどうするんだろうって思ったけど…これは嬉しいな」

時雨「そう言ってもらえると、僕も少し早起きした甲斐があるよ」

提督「ありがとな。今日は時雨のための一日なのに…」

時雨「僕が作りたいから作っただけさ…ほらほらそんなことより早く食べてみて」

提督「ああ!」パクッ

提督「うまい!うまいぞ!」バクバク

時雨「大げさだよ。それと、もっとゆっくり食べ…」

提督「ングッ!?」

時雨「ああもう、のどに詰まらせて…はいお茶」スッ

提督「んぐんぐっ…ぷはぁ!た、助かった時雨」

時雨「どういたしまして。さて、僕も食べようっと」パクッ

26: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:02:11.43 ID:EoAFb5Cp0
かなりの誰得展開とはなりましたが、全部書き終えたので投下しようと思います。
途中ミスに気付いたり、路線変更を思い立った場合は投下ができなくなるかもしれませんが、お許しください。

27: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:03:11.59 ID:EoAFb5Cp0
――――

時雨「ショッピングはこれくらいでいいかな」

提督「むっ、もういいのか」

時雨「十分回れたしね」

提督「そうか、それじゃ次は――」

28: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:04:16.98 ID:EoAFb5Cp0
――――

提督「どの映画が見たいんだ?」

時雨「えっと…これだよ」

提督「恋愛物か」

時雨「嫌かな?」

提督「まさか。俺もこういうのは好きだぞ」

時雨「よかった…」

29: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:05:15.20 ID:EoAFb5Cp0
――

時雨「はい、コーラ」

提督「おう、ありがとう」

時雨「ポップコーンは、普通の塩味とキャラメル味があって…迷った結果、キャラメル味にしたんだけど…」

提督「ああ、大丈夫だ。俺もそっちの方がいい」

時雨「提督は甘いものが好きだしね。こっちを選んでよかったよ」

31: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:06:38.59 ID:EoAFb5Cp0
――

提督「いや~おもしろかった」

時雨「本当にね。特に最後の別れのシーンはすごく良かった」

提督「時雨、少し涙ぐんでたもんな~」

時雨「…見てたんだ」

提督「悪い悪い、意図的に見たわけではないんだが」

時雨「うぅ…」

提督「俳優の演技も見事なものだったしな。感動するのは当然さ」

時雨「でも提督が泣いてる様子はなかったね。けっこう涙もろいと思ってたんだけど」

提督「おいおい…別に俺は涙もろくないぞ。もういい年だしな」

提督「それにあれはいつの日か再会を誓っての別れだから、ただ悲しいだけのものじゃなかっただろう?」

時雨「まあ、確かにね」

提督「あれが今生の別れって言うんだったら泣いてたかもしれんなー」

時雨「…そう。うん、そうなんだろうね」

32: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:07:53.05 ID:EoAFb5Cp0
――

提督「夕食を食べて帰るとしよう。なんか食べたいものあるか?」

時雨「なんでもいい…なんて言ったら困らせちゃうね。イタリアンなんてどうかな?」

提督「おっ、いいな。さっきの道中に良さそうな店があったし、そこに行ってみるか」

33: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:09:58.49 ID:EoAFb5Cp0
――――

「カルボナーラと野菜のペペロンチーノでごさいます」

提督「きたきた…カルボナーラは俺です」

時雨「おいしそうだね」

提督「前菜も良い味だったし、楽しみだ」



時雨「…おいしい」

提督「こっちもうまいぞ。こりゃ良い店を当てることができたな」



時雨(あ…提督の口に)

時雨「提督、ちょっと動かないでね」

提督「ん?……むっ」

時雨「これでよしっと」

提督「ソースが付いてたか。ありがとな」

時雨「ふふ、どういたしまして」

提督(…こういうのも悪くないな)

34: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:10:53.37 ID:EoAFb5Cp0
――――

提督「夕食もすませたし、あとは帰るだけだな」

時雨「そうだね」

提督「帰り道、どこか寄りたいところがあったら言ってくれ」



提督「今日は満月か」

時雨「……きれいな月だね」

提督「…………ああ、本当にな」

時雨「……」

35: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:12:38.02 ID:EoAFb5Cp0
――

提督「さて、着いたな」

時雨「…今日は本当にありがとう。とても…とても楽しかった」

提督「満足してもらえたようでよかったよ。俺も楽しかった」

時雨「満足……うん、大満足だよ」



提督「それじゃあまた明日な」

時雨「うん…おやすみ」

提督「おやすみ」

36: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:14:28.04 ID:EoAFb5Cp0
――

提督(明日からまた忙しくなるし、さっさと寝るとするか)

提督(…今日は楽しかったな。出費はけっこうな痛手ではあるけれど)

提督(でも…あの笑顔を見れるのなら、な)

コンコンッ

提督(ん?…こんな時間に珍しいな。いったい誰が…)

提督「入っていいぞ」

ガチャッ

時雨「……」

提督「なんだ時雨か?いったいどうしたんだこんな時間に」

37: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:15:35.62 ID:EoAFb5Cp0

時雨「……」スタスタッ

提督「…時雨?」

ギュッ

提督「!?」

提督(時雨が抱き着いてきた!?)

時雨「ごめん…提督」

提督「ど、どうしたんだ時雨!?ごめんって何があったんだ!?」

時雨「僕……もう抑えられなくなっちゃった」

提督「い、いったい何を…」

時雨「この気持ちを…抑えられなくなっちゃったんだ」

提督「……!」

38: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:17:00.10 ID:EoAFb5Cp0

時雨「今日、本当はここまでするつもりはなかった…デートして良い思い出を作ることができたら、くらいの気持ちでいたんだよ」

時雨「だけどデートが終わって、提督と離れたら…急に、このまま今日を終わらせたくないって思っちゃったんだ」

時雨「提督を僕のものにしたい、そう思ったんだ」

提督「……俺は」

時雨「さっき、ごめんって言ったのはね…本当はわかってるからさ」

提督「……何を」

時雨「提督はきっと僕の想いを…いや、誰の想いも受け入れない」

時雨「そのことをわかっていながら、こんな真似をすることに謝ったのさ」

提督「――――――」

39: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:20:12.36 ID:EoAFb5Cp0

時雨(…表情が強張った)

提督「なぜ、そう思う?」

時雨「気づいてるとは思うけど、この鎮守府の艦娘のほとんどが提督を慕ってる」

時雨「中には、今の僕のように想いを伝えた人も多くいたでしょ?」

提督「…ああ、身に余る光栄さ」

時雨「でも誰の想いも受け入れなかった」

提督「確かにそうだが…鎮守府の外に想い人がいる可能性もあるだろう?」

時雨「前に自分で、誰とも付き合ったことがないって言ってたじゃないか。それとも隠してただけで、本当はいるのかい?」

40: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:24:08.26 ID:EoAFb5Cp0

提督「…いや、いない。だが、それだけじゃ…」

時雨「提督は僕らを大事にしてくれてる」

時雨「けど、常に一線を引いてる…これ以上は踏み込まないってラインを設定してる。誰かに自分からアプローチをかけるようなこともしない。そうだよね?」

提督「……」

時雨「誰も提督の好みに合ってないなんて考えたこともあったさ…だけど、艦娘はみんな見目麗しいだけじゃなくて人格者ばかり…それで誰も好きにならないなんて俄かには考えられなくてね」

時雨「まるで、わざと誰も好きにならないように自戒してるみたいで。ケッコンカッコカリは性能上昇のためと割り切ってるんだろうけどさ」

41: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:25:38.71 ID:EoAFb5Cp0

提督「俺が自戒する理由はないとは思わんか?」

時雨「自分なりに二つまでその答えをしぼってみたんだけど、確証がなくてさ…今日来たのはそれを確かめるって意味もあるんだ」

提督「…その答えとやらを聞かせてもらえるか?」

時雨「まず一つ目は、提督を慕う艦娘たちの仲がこじれないようにするための配慮」

提督「…もう一つは?」

時雨「……怖いんじゃないかい?」

提督「……何、が」

時雨「深い関係になった艦娘が沈んでしまうのが、さ」

提督「――――――」

42: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:31:35.67 ID:EoAFb5Cp0
――

提督「……ああ、その通りだよ。俺は怖いんだ」

提督「深海棲艦との戦いで、大事な仲間である艦娘を沈めさせてしまうたびに、俺はこの身を引き裂かれるような思いをしてきた」

時雨「僕らの鎮守府では、提督のおかげで、よそと比べるとかなり轟沈は少ない…それでも」

提督「ああ、決してゼロではない」

時雨「僕も仲間を失うたびに悲しい思いをしてきた。でも、提督の悲しみは僕の比じゃなかったね」

提督「…お前たちの前で悲しむ姿を見せた覚えはないんだが」

時雨「確かに僕らの前では毅然とした姿でいたよね」

時雨「でも…仲間が沈んだ、ある冬の寒い日の夜…提督が外に出ていくのに気づいてね、こっそり後を追ったんだ」

提督「……」

時雨「そこで見たのは…仲間が沈んだ方向を見ながら、一晩中泣いてる提督の姿だった。その姿を見て、僕は声をかけることができなかったよ」

提督「…参ったな、気づかれてたのか」

時雨「誰も話題にはしないけど、僕以外にも気づいてる人はいるさ。誰かが沈んだ日の夜は必ずそうしてるんでしょ?」

提督「ああ。寝ようとしても寝られなくて…悲しさに耐えきれなくて、な」

提督「俺はあるとき思ったんだ。仲間を失うのはこんなにもつらい……なら、もしも愛した仲間が沈んでしまったら…二度と会えなくなってしまったら…そのとき俺の心は壊れずにいられるだろうかってな」

43: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:33:05.60 ID:EoAFb5Cp0

提督「それ以来、俺は艦娘を…お前たちを男女間の意味で愛するということがないように努めてきた」

時雨「だから誰の想いにも応えることはできなかった」

提督「ああそうだ。心が弱いんだ、俺は」

時雨「…優しすぎるだけなのさ」

提督「だから…俺は、お前の想いにも…」

時雨「…提督の苦しみはよくわかったよ」

時雨「なら…こういうのはだめかな?」

提督「?」

44: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:35:09.61 ID:EoAFb5Cp0

時雨「いつか全てが終わったら…そのときは僕の想いに対する提督の返事を聞かせてくれないかい?」

提督「…その言い方だと、俺には断る選択肢が残るけどいいのか?」

時雨「いいのさ。将来を誓うだけでも、提督を苦しめる枷になるだろうからね」

時雨「沈む沈まないに関係なく僕を愛せないというのなら、この場で断ってもいいし、それはそれで納得するよ。大泣きはするけどさ」

提督「…時雨は良い女だな」

時雨「ふふ、いきなりなにさ?」

提督「…約束しよう。全てが終わったとき、必ず返事をする、と」

時雨「…ありがとう」

45: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:35:53.37 ID:EoAFb5Cp0

時雨「ところで…今日はまだ終わってないから、僕の『権利』は有効だよね?」

提督「ん?…まあ、そうなるな」

時雨「じゃあ――――」

46: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:36:36.80 ID:EoAFb5Cp0
――

提督「…同衾ときましたか」

時雨「む、文句あるのかい」

提督「そういうわけじゃないが…明日は忙しいからさっさと寝るぞ」

時雨「わかってるよ」

47: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:37:23.47 ID:EoAFb5Cp0
――

提督「……」

時雨(……もう寝てるかな?)

時雨「…僕は沈まないよ提督」

提督「……」

時雨「僕は幸運艦…白露型二番艦、時雨さ」

時雨「必ず生き残って…提督の返事をもらうよ」

48: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:39:30.76 ID:EoAFb5Cp0

提督(……起きてるんだけどな)

提督(…いかん。時雨が愛しくてしかたがない)

提督(…俺の前からいなくなったりするんじゃないぞ時雨)

提督(俺の返事は…もう決まってるんだからな)

49: ◆Xg2hgTZEF9gM 2015/03/12(木) 23:42:12.27 ID:EoAFb5Cp0
完!

どうしようもない駄文をお見せしてしまいました。
時雨編で発想が尽きたので、鳳翔編は書けないかもしれません。
お付き合いいただきありがとうございました。失礼します。











元スレ

タイトル:提督「えっ、デートに連れてけ?」 時雨「うん」

URL:https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425964527/